「数字音痴で会計は大の苦手」なんていう中小企業の社長は、どのくらいいるだろうか。 全体的な割合でみると、大半の社長が当てはまるような気がする。 かくいう私もかつては会計が苦手だった。 しかし、会社が成長する条件のひとつとして「会計を武器にする」ことが挙げられる。 どのようにすれば会計数字に強くなるのか、 私自身の経験も踏まえてお話ししたい。
経営情報マガジン「社長25h」 更新:2009.01.16(金)
「数字音痴で会計は大の苦手」なんていう中小企業の社長は、どのくらいいるだろうか。 全体的な割合でみると、大半の社長が当てはまるような気がする。 かくいう私もかつては会計が苦手だった。 しかし、会社が成長する条件のひとつとして「会計を武器にする」ことが挙げられる。 どのようにすれば会計数字に強くなるのか、 私自身の経験も踏まえてお話ししたい。
「会計事務所を替えたい」。当社には、中小企業経営者からこんな相談が毎日のように寄せられてくる。その大きな理由のひとつに「会計事務所とのコミュニケーション不足」という問題が挙げられる。 これは、言葉を交わさない、連絡がないということだけではない。会計事務所が経営者に説明する際に使う専門用語が理解できないというケースが多いのである。税理士や会計事務所の職員のなかには、税務会計の専門用語を一般の人でもわかる平易な言葉に「翻訳」して話せる人が実は少ない。
しかし、それは会計事務所だけではなく、社長のほうにも問題がある。 「会計がわからない」という社長に聞くと「専門用語が理解できない」という答えが返ってくる。自己資本比率、流動比率、貸借対照表など、会計には多くの専門用語があるが、もうこれは覚えなければ仕方がない。 例えば野球をするときでも、多くの専門用語やルールを覚えなければならない。これと同じで、会計も最低限マスターすべき言語がある。多少無理してでも、覚えなければならないということを決断しよう。 例えば売上高経常利益率は、分母が売上高で分子が経常利益となっている。多くの会計用語は、この原理原則に基づいている。それがわかればさほど難しいことではない。
また、会計は足し算、引き算、掛け算、割り算しか使わない。平方根(ルート)とか微分・積分までは必要ないので、会計といっても特別肩肘を張る必要はないのである。 会計を覚える方法というのは、実は簡単なのだ。自社の目標を決め、経営計画書をつくり、それを管理すれば、おのずと覚えられるようになるのである。
今は、俗にいう「会計本」が流行っている。「決算書の簡単な読み方」というようなテーマを掲げた、会計に関する本が年に何冊も出版され、書店をにぎわせている。多くの人が買っているのだが、結局は読まないなんてケースは珍しくない。 私も20年前に会社を設立した当初は、会計についてあまり理解できていなかった。それこそ「会計本」を何冊も買ってはみたものの、読まないで放っておいたものだ。しかし、自分の会社の予算や経営計画書をつくり、決算数字を分析してみると、会計の理解が深まってきた。 決算数字の分析というと、いろいろな方法がある。サービス業、建設業といった業界ごとの平均値と比較するというやり方もあるが、中小企業に関しては絶対評価が一番である。
自社の過去と今日、目指している未来と今日を比較するという絶対評価を行ない比較する。そのなかでチェックしなければならない経営指標とは、労働分配率や従業員1人当たりの限界利益(粗利益)などである。 目標といえばどうしても売上高に目がいきがちだが、中小企業は従業員1人当たりの限界利益というものにフォーカスするのが望ましい。
10年以上前に、ソフトバンクの孫正義さんの講演を、500~600人くらいの会場で聞いた。そのとき、彼は「私は日本で一番決算書を見る男です」と、おなじみの高らかな声で力説していた。私はこれを聞いた瞬間「この人は何を言ってるんだ?」と思ったが、結論は全国にある60前後の営業所から日次決算の試算表が毎日送られてきて、それら全てに目を通しているという話しだった。あれから10年以上経って今日の彼の業績を見ると、数字から決して目を離さずに経営をしている結果なのだと妙に納得できる。やはり、数字で経営を見なければならないのだ。
また、人づてで聞いた話で定かではないが、京セラの草創期は、月末の正午にはすべての勘定データを一旦締めたという。そして、夕方5時にはその数字をもとに部門長会議を開き、どこに問題があったのかを分析していたそうだ。会議で使う会話のベースは、もちろん「数字」。経営の次なる手を編み出すには、数字が必要なのだ。 現在、多くの会計事務所で自計化、つまり自社で会計ソフトを使って入力して会計書類を作成することを奨励している。これからの中小企業は、状況や環境が許す限り、是非自計化すべきだと思っている。 その際も、単にこれまで会計事務所に頼んでいた作業を自社でやるだけではなく、社長として明確な目標を持ってもらいたい。それは、毎月5日とか10日までには1円単位で合っている月次の試算表を経理に出してもらうといった目標である。
まずは目標を明確にすること。これこそが、会計を武器にして数字で経営を見るにあたっての最低条件でもある。
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例えばこんな言葉が毎日届きます。
『目的が明確なら方法はいくつもある。
「もう駄目だ」と言う前に、
そもそもあなたのビジネスの目的は本当に明確になっているか。』
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㈱アックスコンサルティング 代表取締役
広瀬 元義
"黒字経営を実現する会計事務所の会"FANアライアンスを主宰。また、中小企業や会計事務所の経営コンサルティング、Webコンサルティング、出版事業等を手掛けている。著書は2007年年間総合19位(「日経ビジネス」調べ)の『イン・ザ・ブラック』(あさ出版)をはじめ、多数執筆。


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