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【キャッシュリッチ経営のポイント】売上は経営者の情熱の表れ、利益は会計上の評価数字。現金こそが経営の真実!

経営情報マガジン「社長25h」 更新:2009.02.20(金)

株式会社アックスコンサルティング 代表取締役社長 広瀬元義

ご存知の通り、現在は未曾有の大不況である。帝国データバンクによる、2008年の倒産件数は1万2681件。前年比で15・7%の件数増加となった。 倒産とはもちろん「資金が底をつく」こと。資金繰りに行き詰まれば、黒字企業でも倒産の憂き目を見る。つまり、キャッシュの有無が企業の存続を左右するのだ。 こうした背景を踏まえ、今回から新連載として「キャッシュリッチ経営」のポイントについてお話ししていきたい。(この記事は、「25時間戦う!!社長の"黒字経営"マガジン『社長25h』2009年2月号に掲載された記事の一部をBSL会員向けに再掲載したものです。)

キャッシュが尽きれば利益が出ても倒産する

 なぜ会社は潰れるのか?
 倒産とはご存知の通り、企業活動を行っていたが、支払うべき債務を払えなくなった状態を指す。どんなに直近の決算が黒字でも、キャッシュフローに行き詰まれば「勘定合って銭足らず」。企業は潰れてしまうのである。昨今の凄まじい倒産状況から感じたことがある。それは「利益はあくまでも会計上のものであり、実際の経営上のものではない」ということだ。

 決算月に無理やり売上計上して、売掛金を増やして利益を出したと仮定しよう。しかし、利益が出ようと出ていまいと、今日ある現金は何も変わらない。利益はあくまでも会計数字の活用解釈であり、キャッシュこそが企業存続の事実であり、真実なのだ。
 売上と利益ばかりに目が行くと、キャッシュフローに行き詰まる。例えば、新規取引で1000万円の売上を計上したとしても、その入金が3カ月後で、仕入分700万円の支払いが1カ月後だったならば、約2カ月にわたり資金がショートしてしまう。この場合、損益計算書上では300万円の粗利益が計上されていても、他の入金見通しが立っていなければ、キャッシュが行き詰まるのは目に見えている。このように売上と利益だけを重視していても、企業は存続できないのだ。
利益を出すことは大事なことだが、それ以上にキャッシュを生み出す力そのものを強化し、企業体力を増強することを意識していかなければならない。特に現在のような厳しい時代だからこそ、企業経営者は認識すべきだろう。

「キャッシュリッチ経営」の7つの原則

 2009年に入ってから私は「キャッシュリッチ経営」を中小企業経営者やメンバー会計事務所に推奨している。
 キャッシュリッチ経営とは、現預金などの手元流動資産を多くするための経営手法をいう。「売上は経営者の情熱の表れであり、利益は会計上の評価数字である。現金こそが経営の真実を表す」ということを、企業経営者は肝に銘じていなければならない。したがって、潰れない強固な企業をつくるためには、キャッシュリッチ経営の原理・原則を実践、習得していくことが求められるだろう。

 キャッシュリッチ経営には7つの原則がある。

  1. ゴール(目標を明確化させる)
  2. コミットメント(公約する)
  3. オープンブック(財務諸表を公開する)
  4. キャッシュ(現預金残高を見る)
  5. プロフィット(利益を見る)
  6. パートナー(会計事務所を選ぶ)>
  7. レビュー(評価する)


 ただし、この7つの原則を実践する前に、とても大切な前提条件がある。それは、あなたの会社が20世紀型企業を卒業して21世紀型企業を目指すことである。

実現への大前提は、「21世紀型企業」になること

 21世紀型企業とはどういうものか。簡単に言えば、全員参加の風通しのよい企業のことである。
 20世紀型企業は組織の階層が深くて、ピラミッド型のヒエラルキーが存在し、意思決定までに非常に時間がかかる組織体である。一昨年、昨年と、世間をにぎわせている食品関係の老舗企業などがその典型だ。経営者や幹部が持つ情報、ビジョン、お金、人脈などを独占し、社員に公開しないがために、問題が起こる。

 21世紀型企業はそうではない。経営者が持つ技術、スキル、知識、情報などをすべて社員に公開し、社員と一緒になって未来をつくっていこうという文化が根づいている。
これは、口で言うほど簡単なことではない。しかし、こうした全員参加で経営する会社を目指していることを、社員に浸透させることが、21世紀型企業への脱皮であり、キャッシュリッチ経営を実現する第一歩なのだ。

 みなさんがキャッシュリッチ経営を目指すのなら、まずは「21世紀型企業をつくる」という決断をしていただきたい。次回からは、7つの原則について、詳細に紹介していきたい。

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プロフィール

株式会社アックスコンサルティング代表 広瀬元義

㈱アックスコンサルティング 代表取締役
広瀬 元義

"黒字経営を実現する会計事務所の会"FANアライアンスを主宰。また、中小企業や会計事務所の経営コンサルティング、Webコンサルティング、出版事業等を手掛けている。著書は2007年年間総合19位(「日経ビジネス」調べ)の『イン・ザ・ブラック』(あさ出版)をはじめ、多数執筆。

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